1.見果てた男
ビートルズのリボルバーの1曲目「Taxman」のように始まるこの曲は
サイケデリックポップスの代表選手。
関西のSSW西村明正君との共作で作品自体は4-5年前のもの。
西村君と共同制作で進めてたアルバムは結局形にならなかったけど
その時の数曲がこのアルバムで蘇りました。
作風イメージは西村君と制作していた時のまま。

見果てた男がネガティブとポジティブを繰り返して
愛と夢を現実のものとしていくかどうかは
この後の楽曲を聴いていただければ自ずと答えはあるでしょう?!
さぁ世紀の最高傑作アルバムのスタートです!

2.Welcome!Welcome!
アナログなラジカセから漏れたような音から始まるこのアイディアは
元々僕からの提案でしたが、
レコーディングエンジニアの大野順平君が具現化してくれました。
本当にカセットデッキのカチャッという音を録音して表現してくれました。

1年ほど前、10年ぶりに本格的に音楽活動を復活した時
僕には過去に出した2枚のアルバムの楽曲しかありませんでした。
気持ちを入れる!という意味では最も新鮮な僕の気持を歌にしたかったんです。
僕が普段行うのはライブハウスのブッキングライブ
ほとんどが初めてのお客さんです。
対バンのお客さんやお友達など。
そんな人たちに向けて歌っているんです。

Welcome! Welcome!
僕は君を受け入れる準備がある。
君の過去なんてどうでもいいさ。
今この瞬間、僕は君を受け入れて君は僕を受け入れる。
それ以外に何があると言うんだい?!
だから歌うよ、力の限り

Welcome! Welcome!~

3.環状レース
この曲も西村君と共同作業をしてた時の曲です。
柴山一幸っぽい曲と言われればかなり上位に来る曲でしょう。
そのため僕的には何度も聴きたくない曲です(笑)
曲なんていうのは確かに自分の内面を露呈する面があるのですが
やはり何か不安で恥ずかしいですね。

南佳孝さんの「スロ-なブギにしてくれ」ばりの
オールド感漂う3拍子のこの曲は
馴染んでるとは言い難い柴山一幸の甲高い(笑)声と相まって
不思議なレースを繰り広げます。
ボーカルディレイの感じはたぶん
ジョンレノンのソロ作品を意識したものではないでしょうか。

カルマかただ単に人間の癖なのか、、、、
同じところをグルグルいつまでも回って
自分が何なのか最後まで分からず朽ち果てて行くのでしょう。
たぶん今夜も無意識のうちに環状レースを繰り広げるはずです、、、

4.butterfly
今回のアルバム中、最後にできた曲です。
ミディアムテンポの楽曲がもう1曲欲しいなと思っていたところ
数分後、歌詞とメロディが頭の中を支配しました。
割とメッセージ色が強い今回の作品群の中でもとりわけ異彩を放っているようです。
メッセージというよりはイメージ。
肖像画ではなく風景画。
僕の頭の中の意識がイメージとしてアウトプットされ
楽器や録音機材を使って形になるという
極めて原始的で最良な方法で完成しました。

何といってもサウンドプロデューサー炭竃智弘のアレンジが最高です。
たぶん彼の中にはなかった作風が僕との出会いによって
お互いが影響をし合いこのような作品が完成したんだと思います。

5.I'll be there
タイトル曲にもなっている楽曲です。
これもすでに4.5年前の曲で
セカンドアルバム「涙色スケルトン」発売後、まもなく書いたと記憶しています。
「涙色スケルトン」で柴山一幸のソウルフィーリングやポップス感を出し終わった後
何だか、自分の半分が蠢いてるような気がして、、、
それは言うまでもなく、サイケ感や混沌感、
これは僕の中にある永遠のモヤモヤを象徴するものです。

元になった楽曲があってそれこそ15年くらい前に「ロック教」という楽曲がありました。
20代そこそこの若者が図書館でヨボヨボな服を着たひげ面の爺さんと出会うストーリーで
その若者がヨボヨボな爺さんにおまえは誰だ?と言うと
私はロック教の教祖だと答えるという何だか分からないストーリーで(笑)
当時発売されたばかりのループマシン的なリズムボックスを駆使して制作した曲です。
実はその教祖が数年後の自分の姿だと気付いた若者は驚愕します。
ただ彼は自分の未来を知ることにより
今までの自分の人生をそのまま受け入れ、新しい自分に目を向き始めます。
それまでは消費するしかなかった自分の人生をケセラセラと歌い
その爺さんになるために生きていくのです。

実は僕がメトロトロンでデビュー後、色んなイベントでその歌を歌っています。
同期をバックにアコギを持って歌っていました。
クアトロか何かのイベントの後、鈴木慶一さんに声をかけられ
あの曲すごく良かったよ、と言われた記憶があります。
たぶんそれがそれがすごくうれしく、
あの鈴木慶一さんに褒められたんだ~!!
その感覚がいつまでもあり
その「ロック教」を「I'll be there」まで進化させることができたんだと思います。

その舞台は図書館ではなく
ビートルズの聖地、ストロベリーフィールズに場所を移して
同じような時間軸のぶれた時間旅行を感じさせる
柴山一幸以外には作れないと断言できるストーリーと楽曲になっています。

いつか絶対この曲のPVを作りたいです。

6.あなたの胸に抱かれたままで
打って変わって東京60wattsの杉浦琢雄君の美しいピアノをバックに歌う曲です。
1年以上前、僕の家で彼と軽くセッションしてた時にその元が出来上がっていました。
今回アルバムの楽曲を頭に描いていたときにこの曲のことを思い出し
その続きを書いてみたいと思ったのです。
歌詞を新たに考え、だけど何の迷いもなくどんどん溢れ出てきました。

淡い記憶、母に抱かれたあの感触、
つまりはマザコンソングなんですかね?!
いや私は決してマザコンではありませんので(笑)

家にあるヤマハの小さめのグランドピアノで
マイク2本で録音しました。
そんなホームメイドな感じが伝わればいいな。

7.番号のつかぬ夢
この曲と次の「何となくの不安と何となくの期待と」は今までのメンバーとは
別のミュージシャンで録音しています。
ライブで偶然見たカホーンのKazuさんに声をかけ
元々友達だったSSW中間正太君にギターを弾いてもらいました。
別録りでは大森元気君にバンジョーをお願いし
何んとも痛快なサウンドが出来上がりました。

楽曲自体はライブ活動を再始動するちょい直前にメロディが浮かんで、
でもこのメロディどっかで聴いたことないかい?
と自分に問いかけ、柴山一幸っぽくないかなとか色々考えたんだけど
シンプルな曲にシンプルな歌詞、これでいけないはずがない。

ボーカルトラックも満足いくものが録れて
アルバム中でも安心して聴ける楽曲になりました。

8.何となくの不安と何となくの期待と
「番号のつかぬ夢」と同じ形態ながら
なんと言ってもホーンセクション。
ベースのない楽曲にホーンセクション
あまりこういう楽曲って意外にないですよね。
狙いました。
こういう曲を普通にバンドアレンジしてしまうとだいたいイメージできてしまう。
敢えてそれを崩してアコースティックサウンドにしました。

川口義之さん、伊藤隆博さん、三浦千明ちゃん、
3人のホーンセクションが意外性とインパクトを生み出し
独特の雰囲気ある楽曲に仕上がっています。

9.オマモリ
元々僕のファンの方とライブ後、お話をさせていただいた時に
その方の話がモチーフとして浮かび
その後ストーリーを考え楽曲として完成した曲です。
ですからその方の話がなければこの曲は生まれなかったでしょう。

たくさんたくさん歌を歌ってる人がいて
ライブハウスやバーやカフェや色んなところに色んな人がいて
たまたま僕のこと見つけてくれてライブに足を運んでくれて
こんなうれしいことはない。
喜びというのが、種類、数どれほどのものが僕の人生にあるか知れないが
間違いなくこの喜びは最高のものだ。

そんな人たちを守れないでどうする!!柴山一幸!!
現実的には無理かもしれないがその気持ちだけは本物だ。
だからこの曲をオマモリにして僕のことを思い出してほしい。
僕は僕という歌うたいを見つけてくれた君たちに
何の恩返しもできないけど
僕にしか歌えない歌をこれからも君たちのために歌っていくよ!
という決意表明みたいなものだ。
奇麗事にしか聞こえないかもしれないが、
歌うたいならこの感情は必ず理解してくれるものだと思ってる。

炭竃智弘のアレンジディレクション、青木孝明の人の気持ちの裏側から責め続けるフレーズ、
若山隆行の彼らしいファンキーででもどこにもないフレーズ、
宮川剛のドラミングは間違いなく圧巻だ。
それらすべてがバランスよくアウトプットし交わり
とてつもないポップソングができてしまった。
もちろん大野順平のミックスにより更にポップス度が高まったのは言うまでもない。

柴山一幸の楽曲の中でも最高のポップソングといっても過言ではない。

10.盛大な拍手を僕らに
この曲もかなり最後の方に完成した楽曲である。
炭竃智弘を僕の家に呼んで一緒に作曲をした。
かまちゃんの作曲能力は大したものである。
一緒にそれをしてると随分刺激され
新しいメロディがたくさん生まれる。

最初からアルバムの最後の方に入れようと思ってたから
歌詞も自然にこのような感じになった。

途中で聴こえる盛大な(笑)拍手は
下北沢440で僕が企画するイベント、ネガティブナイトでお客さんの拍手を録らせていただいた。

さぁもう少しでこのアルバムも終わりだ。
その準備をしておいてくれよ。

11.万能細胞
最後の最後にタテノリのロッケンロールを響かしてくれるこのナンバーも西村君との共作だ。
正確にいえばコードやメロディは二人で作った。
歌詞は僕と西村君のメールでのやり取りをそのまま歌詞にした。
元々、万能細胞という言葉も僕がデモ段階で「バンド最高」と歌っていたら
西村君が万能細胞と聴こえるよ、というところから始まり
最終的には万能細胞というタイトルの楽曲になった。

だから西村君との関わり合いがなければこの曲は生まれなかった。

レコーディング中こんな思い出がある。
楽器の録音が終わり、この曲のコーラスをみんな同時で歌って録りたかった。
一つのマイクを囲み5人で歌った。
途中かまちゃんがみんなを笑わせようとして変な顔したり
いろんなことして、とてもとても楽しくて幸せで、音楽ってバンドって
なんて素晴らしいんだろうって
何度もその瞬間に感じた。
あ~帰りたくないよ、みんなとこのままずっと音楽を作ってたい、
そんなことは声を出して言えないけどずっと心の中で思って
心のコーラスしてた。

とても大切でとても素敵な思い出だ。
この曲にはそんなバンドを味わった人しか感じられない
バンド恍惚感が漂ってるんじゃないかな。


さぁ11曲すべての曲を聴いてくれたかい?!
イカした曲ばかりだっただろう
気にいってくれたかい?!

さぁ迷わずリピートだ!!


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